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日本人はよく欧米人から、表情を変えずに話す、と言われます。能面のような表情とも例えられます。それは、アクションが大きいと羞恥だとする慣習、文化のせいでもありますが、日本語の発音やイントレーションによるところも大きいと言えます。
 私がはじめてボイストレーニングをする生徒さんは大抵、上唇より上の筋肉が動きません。しかし、顔の筋肉が固まったままだと、のどの奥の開き具合や、子音と母音をリズムに乗せる事に不都合が生じます。ただ、口を開く、と言っても口の表面をあけるだけではかえって上あごの奥が落っこちてたり、舌がせりあがってたりしてしまって、口内が狭くなってしまう事があります。また、下あごばかり引っ張って、首にまで力が入ってしまう人もいます。これではよい声を作る事にはつながりません。
 のどの奥を開く方法の一つとして効果的なのが、表情筋(ほほの筋肉)を引っ張り上げる作業です。笑った時に上がる筋肉です。「あ」と言う口の形でこの筋肉を上げると、たいていの人は上の歯が見えると思います。欧米人のしゃべっている時の顔の表情を、映画等で確認してみてください。しゃべっているだけで上の歯が見えるし、顔がくしゃっとなっていませんか?逆に日本人のしゃべっている映像を、口の部分を隠して見てみてください。たいてい、何の動きも起きていないかのようです。しかし日本語はこれでOKの言語だから、普段の生活には何の支障もなく、しかたありません。しかし、歌う、となると訳が違います。
 子供の時から顔の筋肉を動かす訓練をしている欧米人に対して(発音がそうさせるのです。日本人でも外国育ちの人はまた事情が違います)日本語ばかり話して来た私たちは、大きなハンディがあります。毎日、百面相をする等の訓練で、顔の筋肉をストレッチさせ、鍛えていきましょう。

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